小さいころに見た風景で忘れられないものがある。

ショッピングセンターのなかの休憩所のベンチで、
侘しげな風体のおじいさんが持ち込みの
牛乳とアンパンを食べていた。
そのおじいさんがパックに入った牛乳を
コップに移し変えていたんだけど、
最後の一滴がコップの中に落ちるまで
ずーっとずーっとパックをかたむけていた。

子供心に、「おじいさんご飯一緒に食べる人いないのかなぁ」とか
「牛乳、たくさん買えないのかなぁ」などと考えてしまい、
とてもせつなくなったことを覚えている。

それ以来、嫌いだった牛乳を残さず飲める子供になった。