二階の踊り場に来たとき、彼は三つの扉がエトルリア赤に塗られて、
縁枠がないのが目に入った。扉は埃まみれの壁とみまがうばかりとなって、
帯状の鉄の飾りがボルトで見かけばかりに留められて、
その端がちょうど炎の形になっている。ちょうど鍵穴の先も、
それぞれ炎を象っていた。階段の上の、台所の上に位置する部屋の入口に
面した扉の錠前は、明らかに壁に埋められている。そこへ入るには
じっさいグランデの部屋からでしかなくて、そこは彼の書斎として
使われていた。その部屋に光を入れるたった一つの十字窓は、
中庭に面して、とてつもなく大きい鉄の格子で塞がれている。