「宇治市に入ると、山々の青さが初めて目に滴った」(『天人五衰』)

夏山滴る如し(和漢朗詠集)

大岡昇平は、三島由紀夫のレトリックの特徴について、
平凡さ、と述べたことがある。
むかし目薬のCМに、夏山の緑を映したものがあった。これも平凡だろう。
かつて、三島由紀夫の風景描写は、銭湯の壁の絵のようだ、という評があったが、
けっこう当ってたのではないか。