増田康宏
https://number.bunshun.jp/articles/-/852497
発言要旨

「メディアではAI研究について言及されることは多いですけど、やはり中終盤力の差が大きいんです。周りは形勢を良くしようとして序盤研究を深めますけど、結局は変化(局面の分岐)が多すぎるので、全て対応するなんて不可能なんです。ならば、少なくとも自分の持つ中終盤力を発揮しないといけない。でも、フィジカルとメンタルのコンディションが整って初めて、中終盤のパフォーマンスって成り立つものだと思うんです」

「技術的な進化によって競技が変わっていくということは必然ですけど、棋士の読む力は衰えてしまっているのではないか、自分で正解を導き出す力は弱くなっているんじゃないかと思うことはあります。自分自身、長い持ち時間の将棋で以前より深く手を読めなくなっているような感覚に陥る時もあります。局面における最善手にはものすごく強くなっても、全く別の局面が現れた時の読む力が弱くなっているんじゃないかというような感覚です」

「だから、藤井さんも他の棋士と同じような方法でAIを使っているのだろうか、と疑問に思う時があるんですよ。藤井さんは未知の局面でも正解を導き出せる。読みの力が凄いから、としか言いようがないのかもしれませんけど、そもそもAIの使い方が普通の人とは違うんじゃないかと思ったりもします。実際、藤井さんは対局でとにかく時間いっぱいまで考える。あの姿を見ると、なんかちょっと普通とは違うのではないかと思うんです」

「今の時代だからこそ、読みの力を鍛える方がいいかもしれない、と思うようになりました。
自分たちのような世代はまだ若いのにAIのテクニックばかりを学んでていいのか、それでこれから勝てるのか、という疑問は正直あります」

「100局に1局くらいは模範解答が全て頭に入っていることで勝てる将棋もありますけど、覚えて勝てるほど将棋は簡単じゃない。分岐していく中で考えることが強さなんです」

実例として1局
https://i.imgur.com/U44TGpN.png

局面ペディアで検索すると戦前の名人戦リーグらしい(☖萩原淳の勝ち)
http://kyokumen.jp/positions/l6nl/3g1k3/p1n1p3p/1r1PspPs1/9/1Pp6/P1S1PP+B1P/4GKS2/LNG4NL%20b%20B4Prg2p

この局面から終局までの指し手は[GO]をクリックすれば見れます